ポーランド人のドミニクが複数の女性と付き合っている理由

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●人はとにかく損失を回避したがる

大学の消費者行動系の授業だったと思うのですが、”損失回避性“という単語を学んだことがありました。言葉の通り「人間は損失を回避する傾向にある」ということです。

 

以下が損失回避性を示す有名な事例です。

以下の2つの選択肢から一つを選んでください。
・必ず10,000円を貰う事が出来る。
・50%の確率で20,000円を貰うことが出来るが、50%の確率で1銭も貰えない。

どうでしたか?きっと前者の選択肢を選んだのではないでしょうか?

 

この場合、大抵の人が前者の選択肢を選ぶという実験結果があります。

 

では、以下の質問ではどうでしょう。

以下の2つの選択肢から一つを選んでください。
・必ず10,000円を支払わなくてはならない。
・50%の確率で20,000円を支払うが、50%の確率で1銭も支払わなくて良い。 

こちらではどうでしょう。

 

この場合では、多くの人が後者の選択肢を選ぶとされています。

 

期待値で考えるとどちらを選んでも同じ筈なのですが、人は利益よりも損失を回避を優先してしまう傾向があるということが分かります。

 

やっぱり、失う事にはどうしても抵抗感があるんですね。

●”俺はそれが嫌だから常に複数の女と関係を持つ様にしているんだ”

単に失うだけでも避けたいことですが、加えて自分が手を掛けてきたものを失うかどうかという状況では、損失回避の感情は更に強くなります。いわゆる「サンクコストバイアス」というモノです。

 

サンクコストバイアスとは、既に払ってしまった費用を失いたくないと感じてしまう心理状況のことをいいます。例えば「レストランで食べ放題のバイキングで5000円を払ったら、満腹になってこれ以上食べるとお腹をこわす心配があったり、ダイエットに良くないとわかっていても、元をとろうと食べ過ぎてしまう」とか。

 

昨日大学時代の学友のドミニクくんと飲んでいたのですが、ちょうどこの話になりました。

 

意思決定の場では将来の費用と便益だけを考えるべきですが、人はサンクコストに引きずられ感情的な意思決定をしてしまいます。ドミニクが言うには「これまでかけてきたお金、どれぐらいの時間を一緒に過ごしてきたか、どれだけ感情を入れ込んできたかという時間・感情的投資の量が恋愛におけるサンクコストだ」とのこと。

 

サンクコストバイアスは行動経済学やマーケティング理論の文脈で出てくる事が多いですが、元は心理学の用語です。心理学を勉強していたドミニクにも、どこかで触れる機会があったのでしょう。

 

ドミニクは極度に自分が感情的になる事を恐れている節があります。それを回避するために、常に複数の女性を追いかけています。

 

彼によると「『この人しかいない』と思ってしまう相手が出来てしまうと、その女性を失うまいと自分が必死になってしまう。余裕を持った振る舞いが出来なくなる。そしてなんらかの理由で関係が終わった時、死ぬほど辛い思いをする。俺はそれが嫌だから常に複数の女と関係を持つ様にしているんだ」だとか。

 

今も4人の彼女がいるそうです。また、昨晩ふと目に入った彼のWhatsapp(ヨーロッパ版のLINE)はほとんど女性からのメッセージで埋め尽くされていました。

 

「日本で白人男性がどうすればモテるか知ってるか? “Just be there” ただそこにいれば女の子が寄ってくる」などと、ともすればジュリアンブランク扱いされそうな発言を過去にはしていたイケイケなドミニクくんでしたが、常に女性を欠かさない生き方をしていたドミニクには実はそういう理由があったのだと知り、色々考えさせられる夜になりました。

●”重さは恐ろしく、軽さは美しいのだろうか?”

ドミニクの言っている事は分かる気がしますが、それでもひとつ疑問があります。

 

そもそも恋愛をする人は「この人じゃなきゃダメだ」という感覚を求めて相手を好きになるのではないかということです。

 

つまり、相手が代替可能だという前提に立って恋愛をしている時点で、その恋愛に意味はあるのかということです。

 

一緒に色々な場所に出かけたり、お互いの家族や友人の話をしたり、人生について話したり。時には感情を出し合ってぶつかって、泣きながら仲直りしたり。時間や感情を重ねていくに連れて、次第に相手が特別な人になっていく。 ドミニクの言葉で言うと、時間的投資や感情的投資があるからこそ、その唯一性が生まれるんだと思うし、その唯一性こそが価値なんだと俺は思っていました。

最終的に男女なんてどんな組み合わせでも開け閉めできる鍵と錠でしかないのであって、「あなたじゃないと」なんていうのは幻想。残念ながらいい男もいい女も無限にいるし、状況をできるだけ気持ちよく解釈しているに過ぎない。それでも消えぬ価値とは「どれでもいいのに、選んだ」ということだけだ。

〜加藤 袋〜

こういう話をしてきた俺の恋愛観は、この言葉が的確に良い表してくれています。関係性に唯一無二の価値を与えることが出来るのは、結局「自分の選択」以外にないのだと思う。

 

ただ、確かにドミニクの言う通り、信頼すればするほど裏切られた時はめちゃくちゃつらくて死にたくなったりする。そうなりたくないからと予防線を張ってしまうのも一方で理解出来る。俺も過去に裏切られた経験があるけど、相当へこんで何も手につかなくなったのを覚えています。

 

でもだからといって「代わりなど他にもいるから」と思って付き合っていては、いつまでたっても表面的な関係にしかならない気がする。

 

結局のところ、アドラー心理学でも言う通り、他人は変えられない。であれば、自分のコントロール出来る範囲で人生をどうコントロールするかの問題でしかない

そう考えれば、自分が不誠実になり、相手を傷つけるリスクを取って生きていく人生より、誠実に相手に向き合うの人生の方がよほど良いのではないかな、と思った夜でした。

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